留学・海外体験で視野が広がるということ
今日は留学で視野が広がるということがどういうことなのかを書きます。
よく、留学に行ってよかったことは何ですか?とか、留学に行くことのメリットは何ですか?とかに対して経験者が答えるのは「物事の見方が変わった、視野が広がった」ということを言いますね。
本当でしょうか?そして、もし本当なら何ででしょうか?
留学を取り巻く人の環境から分析してみてみましょう。
彼らは今までとは異なる枠組みの中で生活します。言葉、政治、ルール、価値観、宗教、常識、所属等々。
このように、別の場所で生活すると自分を取り巻く環境が大きく変化します。
自分という存在は留学に来るだけでは変わりません。
なにが変わるって、今までの枠組みから解放されるという点に大きな変化があると思います。
そして、自分の所属していた場所を俯瞰することができます。
探究心を持ってもう一歩踏み込んで考えてみます。
枠組みから解放されるとは即ち以下のようなものからの解放です。
それは、国家であり、地域社会であり、学校であり、団体であり、企業であり、クラスメートであり、友達同士であり、家族である。
この所属から離れてみることで、以下のような大きな違和感を覚えます。
その所属の中で、今まで当たり前に信じてきたことは当たり前ではないではないか!!!
あの物語は何だったんだよ!!
なにに今まで必死に戦ってきたんだよ!!
こんなことに今まで時間をかけてきた自分がバカだった!
なんてことを事実、自分自身が大学生になってから海外に行くことで感じてきました。
そして、事実、それは無理もないことなのです。
だって、その所属は全て虚構の物語によって作られたものだったからです。
例えば、日本国家の法律にしても、それはこうあるべきだという理想、人権のようなものが根本にあります。じゃあ、この人権はどこからきたのかというと、それはこれまで蓄積してこられた様々なストーリーに基づいています。もしも、本当の事実に基づいているのなら、全世界中が同じ法律になっているはずです。
現実とは、そのようなもので、フィクションの積み重なりなのです。
つまり、留学で視野が広がるということは、言い方を変えると、このようなフィクションに気がつき、物事を多面的に捉えることができるようになることではないでしょうか。
さらにそれを発展させると、日本国家であったり、企業であったり、地域社会であったり、このような所属の単位を今後どうすることが所属する人間たちにとって「より良く」なっていくのかの姿を描いて引っ張っていけるリーダーが生まれて行くのではないでしょうか。
そこで、考えたいことが、なにを信じればいいのかということ。
そのために正しい知識を得たいと思ってきました。
しかし、このような意味において、事実は、自分の心の中にしかないのかもしれません。
自分がそれを嬉しいと思ったり、悲しいと思ったり、苦しいと思ったり、するこの認識は事実。
この認識を正しく捉えていき、一人一人の意識の感じるレベルを上げて行くことが人類の進むべき道なのでしょうか。
とにかく、苦しみは取り除いていきたいですね。
「より良く」とは、なにに基づいて考えていけばいいのかという問いに対しては、一人一人の認識に目を向けて考えていかないといけないと思います。その意味で人間理解がリーダーにはとても求められて行くはずです。
人間理解は自分自身の正しい理解からスタートするはずです。
留学をした人には、この形作られたフィクションに目を向けて、それで人々は幸せなのかを真剣に学び、あるべき姿を描けるリーダーとなることを求められている気がします。
そして、自分もそれを目指しています。
今日の着想の大きなヒントになった、ホモサピエンス全史で有名なYuval Harare さんのテッドトークです。
読んで頂きありがとうございます。
終わり。