差別に対する観光の効力

「ある場所に移動して他者と出会ったり、体験したりする活動や仕組み」としての観光。

 

今日は、観光を一つの「現象」として捉え、その現象がもたらし得る社会への効果について触れたいと思います。もっと、具体的な事例はあるものの今日は大きく視座を上げた効果についてです。

 

ぼくは、観光に人の心を豊かにし、今までにない知識や気付きを得て世界を広くし、日々の生活やさらには”生き方”までにも影響を与えうるものだと考えます。

観光学を勉強し始めて、観光というものを「ひとの動き」として捉えるようになりました。さらに、インドネシアに留学中には人の動きとは対極である、人の「固定化」を感じました。人の「固定化」がもたらす、外への無関心。急激に進歩するインドネシア社会で、身近にいるはずの貧しい人々が救われない現状。知識としての「外」は必要以上に入ってくる。これが「憧れ」を生む。この憧れが「内」の魅力までもを台無しにする。人が動きだし、移動した先々で「他者と出会い、体験したりする活動を一人一人が獲得すること」で自分の周り、「周辺」と呼べる空間が広がり、他者であった人々が仲間になり、一方で、憧れを身近で体験することで本来の自分自身の「内」にある魅力を自覚する。

このような理想的なサイクルが回り始めると、社会は豊かで、助け合い、人との繋がりをリアルで感じて居られるような緩いつながりを持った一つの大きな「共同体」になり得る。それが差別をはじめとしたあらゆる社会問題を解決することの土台になることを想像できます。

 普段の自分のまわりの「コミュニティ」を一歩抜け出し、「個」としての自分が他者である者たちと繋がり始めた時に、社会はより開けたものになるでしょう。

これが、コミュニティの壁を破る観光形態。僕が創り出していきたい観光です。

これからこのアイデアを具体化していこうと思います!!