アボリジニ人への謝罪をする日。

今日は、2月13日、Aniversary of apology to the stolen generationの日でした。

僕は、その日をアデレードのとあるコミュニティで開かれたイベントに参加することで、状況を感じてきました。

また、このイベントには、昨日訪問させてもらった教授に紹介してもらい、一緒に参加することになりました。
まず、これはどういう日なのか簡単に説明します。

「盗まれた時代」と言って、アボリジニ人の親とその子供を強制的に政府や教会の手によって引き離され、子供たちは強制収容所や孤児院に送りこまれるということが、行われていた時代のことです。

おおよそ、1869年から1969年頃までと言われています。

なので、今の親世代はまさに子供時代に親から引き離されて育った時代となります。

時代背景として、白人が文明的にアボリジニ人よりも優れているという「優生学思想」に基づいて行われてきました。

今からたったの40年前まであったのか!?と日本人なら思うかもしれません。

しかし、人種差別は全然まだまだあります。白人以外はいない方がいいと考える人がいます。

これは、その先生も言っていたけど、根深く社会に根付いたもので、公式的には和解をしているけれど未だに根深く残っている現実があるということでした。

かくいう、先生もアメリカのカリフォルニアで人種差別の家庭に生まれ育って、24歳のある体験をするまでは本当にその思想を信じていて、そこから31歳くらいまで猛勉強してようやくそれが無くなってきたということでした。

そのある体験が、まさに、「出会い」なのであり、それが先生の「ツーリズムを通じたひとびとの和解」や「ツーリズムを通じた平和」という研究活動に繋がっているみたいです。

 f:id:mynewedition-0709:20180213222122j:image

 f:id:mynewedition-0709:20180213222136j:image

f:id:mynewedition-0709:20180213222219j:image

 f:id:mynewedition-0709:20180213222232j:image

あまり、うまく撮れた写真は無いけど、これが当日の様子です。

まず、少し街を歩いて、前で人が話して、フリーでご飯を振舞って、ちょっと歌うたってというシンプルな感じだったけど、いろんな人種のそこのコミュニティの人たちが100人くらい集まってアボリジニの和解をしていた風景はとても興味深かった。

まさに、その風景を目の前で体験したのだ。

終わった後には、横の周りの人に「apology」と謝罪の声も聞こえた。

まさに、コミュニティの活動という感じで、このようなイベントが地域で行われるのは、もしも自分がアボリジニ人として地域に住んでいたら、とても居心地が良くなるだろう。

会場にはもちろん、アボリジニ人だけではなく、いろんな人種の人たちがいた。

「自分の住んでいる地域には、こういう人たちがいる」そう思えることでどれだけ安心感を得られるのかは、想像に難く無いだろう。

イベントでは、先生の友達の夫婦にあって、その4人でお話しすることができました。

この夫婦は、アーバンプランニング系の仕事をしていて、エコビレッジなどにも携わっているらしく、今度は、日本の里山で6週間ほどステイして色々学びたいと言っていました。

 

この二日間を通じて、得たキーワードは、「クリエイティブ」と「ビューティフル」という2つの言葉でした。

これから、どんなことをやっていくにしろ、クリエイティブでビューティフルな仕事をできるといいなと思いました。

だれもやっていないようなこと、枠組みを取り払って思考したことを、美しい心を持ち、それを貫ける努力をして、自分の仕事に落とし込む。

こんなイメージ。

これが、先生が研究を通じて集めている事例の根幹にあるものだと思いました。

先生は理想を語ります。

今日の話でもあったけど、夫婦が、「現実的にいうと〜〜〜」と言ったことがあったが、先生はこれに対して、自分の仕事の役としては、物事を、社会をクリティカルに捉えて、理想の状態を描いていくことが役割だと言っていました。

もちろん、現実は見る必要があるのだけど、理想を見るという役割も社会では必要なのです。

そして、実際に、そのような研究などをみて、社会のなかで実現していっている人がいるのです。

自分も先生と話していき、理想を見ることのネガティブな側面も含めて聞きながら、それでも社会をポジティブに動かせるように頑張っていこうと思えました。

冷静に見て、できる。

社会のメインストリームは大きくてそれを変えていくのは難しいけど、そこにめがけて、変えていける小さなことは山ほどあります。

クリエイティブにビューティフルに仕事をしていきたいと思いました。