社会起業家的生き方のための7つの知性

今年は「学ぶこと」をテーマに掲げています。

なにを学べばいいのか?何のために学ぶのか?

そもそもこれらは、自分の志や使命を達成していくためにあると定めています。

そのために必要になる「知性」を7つに絞り言語化してくれた人がいます。

田坂広志という方です。多摩大学大学院で社会起業家論を専門にしている方であり、彼の話に

は腑に落ちるものがたくさんありました。

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志や使命を達成していくためには、身につける必要のあるものがあります。

そしてどれ一つとしてかけてはいけないし、アウトソーシングできない。

自分のなかで統合されている必要のあるものです。

 

1.志

2.思想

3.ビジョン

4.戦略

5.戦術

6.技術

7.人間力

 

まず、「志」という知性である。彼はリーダーは死生観を身につける必要があると別の動画で語っていました。

ひとの命を預かるという立場に立つリーダーは自分の判断により人の命を奪うことにもなり得る。

だから、自分が死ぬということの感覚を持ち、さらにその上で自分の命に気づき、その命を使っていくための使命に気づいていく。

命を預かる、じぶんの命を使うという感覚を磨いていくことで得られる知性。現代社会でそんな感覚をどうやって持つのか。

それはこの世界に存在する3つの真実に向き合うことでできる。

1.人は必ず死にます、

2.人生は一度しかありません、

3.人はいつ死ぬかわからない。

ということです。

 

その志を達成していくためには、世の中の変化を見つめる「ビジョン」という知性が必要です。

社会が刻一刻と変化していく中で自分はなにをやらないといけないのかは、その時代ごとで異なります。

だからこそ、今、社会はどうなのか、そして今後の社会はどうなっていくのか。

これを考えるためのビジョンという知性が必要です。


 

さらに、そのビジョンを見るという行為は、「思想」に関する知性を持つ必要があります。

世の中が根本的にどういう考え方をしているのかの本質を掴むということが重要です。

例えば、ヘーゲルの「事物の螺旋的発展の法則」という思想があります。

これは、螺旋階段を上から眺めると、同じサイクルをぐるぐる回っているだけに見えます。

しかし、横から眺めるとしっかりと一歩一歩発展している。

このような現象から名付けられた法則ですが、これを世の中のビジネスに置き換えて考えてみると、結局は本質的には似たものが姿を変えて繰り返し登場しているだけで、でもそれが広まるということは以前よりもなにかしらの形で「より良く」なっているから世の中で受け入れられられる。

こいう原理を自分の産業においても考えることができるのです。

他の思想を学ぶという例として、様々な新しいことが起きている中、社会では複雑系という思想を生んでいます。

それは、相互に関連する複数の要因が重なり合って「ひとつの全体」すなわち、企業や市場、社会をつくる。

そして、これが複雑になることで生き物のようになっていくという思想である。

この思想を学ぶことで世の中で「バタフライ効果」というものが生まれる現象を掴める。

スティーブ・ジョブズがやったようにひとりの仕事がその生命体のなかで大きなきっかけを作ったことで世の中が大きく変わった。

このような思想が元に実際に起こっている、小さな揺らぎを大きな揺らぎに変えていける感覚を磨く必要がある。

 

そして、この小さな揺らぎを大きな揺らぎに変えていけることがわかったならば、どうやってこれを戦略的に推進していけるのか。

これを考えるために「戦略」の知性が必要になります。

自分が何かをしかけた時に、それがいろんな波及効果で広がっていくビジョンを持ち、そのための戦略を打っていく必要がある。

つまり、なにをしていくのかの大きな枠組みを作っていく。

例えば、企業Aと企業Bのパートナーシップを締結していくことで貧困層の飢餓を救うための大きな波を作り出せると考えること。

これが戦略的な思考になる。

自分の団体でも空き家という箱物のスペースを地域に借りることによって、ひとの集まりを作り、それが地域に新しいものを生み出しいく創造の場とその効果を生み、地域の活性化につなげるという戦略を持っています。

そして、戦略において、考えていくべきポイントして田坂さんは2つを挙げました。

一つが「ボランタリー経済」の原理を使うことで通常は利益が出ないから企業が通過してしまうところを利益に変えてしまうという発想を持つことです。

お金じゃない、世の中のためにする志を持つことで、周りの人間がボランティア精神で動く。ボランタリー経済が動く。

ボランタリー経済の本質として、資金的な資産以外にも目に見えない資本、「知識資本」「文化資本」「関係資本」「信頼資本」「共感資本」「評判資本」が動くということがある。

一方では、貨幣経済では資金資本が本質にある。この6つの資本をボランラリー経済の戦略のなかにどれだけ組み込むことができているのかも見直す必要がある。

 そして2つめが、融合の発想。実際の社会システムとしては貨幣経済である。だから、この社会システムにボランタリー経済を融合していく必要がある。

グーグルやアマゾンのように。ただで提供することでみんなが担い手になる。

しかし、そのなかでもお金を払うシステムを作っていくことで持続可能なサービスにする。

この形が現代の戦略において重要だということでした。

 

こういう戦略が大体見えてきたら、次は「戦術」の知性になります。実際にこの戦略を現実に行動していくことです。

だれを雇用して、だれに頼みに行って、とか様々な想像力を持って行動する必要があります。

これを首尾良く実行していくためには人間に対しての理解が必要だったりもします。

こういうことをこの人にこんな働きかけをすればこうなるだろうなーとかです。

 

そして、技術の知性。実際に人を動かしたり、正確なものを作成したりしていくためには、技術が必要です。

例えば、コミュニケーションの技術。話している時の表情、じぶんの腹の座り方、目つき、相手の目を見て感じる力。

表面的なものだけではない、コミュニケーションの技術がある。

このような技術を磨いていくことで物事をしっかりと進めていくことができるようになる。

しかし、これは必要になってくる技術のほんの一部でしかなく、もっと多様な状況に合わせた技術があります。

とは言っても、全てを身につける必要はなく、上からの知性を身につけながら行動していき、自分で必要だとなったものを磨いていくことでいいのだと思います。

 

そして、技術を磨くと到達してくるのが「人間力」の世界。どれだけ、技術を磨いても、物事がうまくいかない状況にぶち当たる。

その時になぜ?となり、自分の人間としての未熟さに気づく。

そうなることで、人間力を磨く道へと突き進んでいく。

 以上が7つの知性になります。

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これがその出典元です。ぜひ、見てください。

いかがでしたでしょうか?

自分はこれを見て、よりはっきりと留学中にするべきことが見えました。

思想を学び、ビジョンを描き、戦略を持ち、戦術の力を磨き、そのための技術力、人間力を磨く。そして、かけがいのない命をどう使うのか?なにに使うのか?日々頭に置いて、問いかけながらこれらの知性を身につけていく。

社会起業家論の専門家である田坂氏の語る7つの知性は言うまでもなく、社会起業家としての「生き方」の枠組みだと思います。

社会起業家’的’な生き方と言った方がいいかもしれません。

自分自身が社会起業家である、ないには関わりなく、これまで社会起業家的な生き方を志してきたし、これからも志したいと思います。

全ての人がこの生き方を選択する必要は無いけれど、少なくとも自分は、自分の命に向き合い、その使命を持ちました。

なので、その使命を叶えていくための知恵をこの動画から得たと思っています。

皆さんの元へとも、それぞれの生き方のヒントになる材料が行き渡ることを願います。そして、何人かの人にはこの動画がその材料になってくれると嬉しいです。